実例集

最近、手紙やハガキを受け取ったときの「ワクワク感」を覚えていますか?
メールやSNSでの挨拶が当たり前になった今だからこそ、ポストに届く物理的な「紙」の挨拶状には、特別な価値があるように感じます。

今回は、2026年の新作ホンキの年賀状で私たちが挑戦した、受け取った人の記憶に深く刻まれる「技術」と「素材」についてお話しします。

テーマは、「透け感(Transparency)」と「物質感(Texture)」。
対照的な2つのアプローチで仕掛けた、紙モノならではのギミックをご紹介します。

Case 1: 開ける前からワクワクさせたい。「透ける封筒」の仕掛け

Case 1: 開ける前からワクワクさせたい。「透ける封筒」の仕掛け
トレーシングペーパー封筒 × 切り絵カレンダー
ひとつ目のアプローチは、「どうすれば封を開けてもらえるか?」そして「どうすれば手元に残してもらえるか?」という課題への挑戦でした。

通常、封筒は中身を守るための「包装」ですが、今回は素材を変えることで、封筒そのものをエンターテインメントの一部にしています。

【Material & Tech】ここがポイント 
  • 封筒素材: 中がほんのり透ける「高透明トレーシングペーパー」
  • 中身の仕掛け: 繊細な「切り絵加工」を施したカレンダー
  • サイズ感: 定形外のちょっと大きなサイズで特別感を演出

【Design Logic】制作の意図 
1. 「チラ見せ」で好奇心をくすぐる
封筒にトレーシングペーパーを採用した理由、それは「中身をあえて見せる」ためです。
美しい切り絵カレンダーや丸いメッセージカードが、すりガラス越しのようにぼんやりと透けて見える。「あれ、何が入っているんだろう?」と直感的に感じさせることで、自然と開封したくなる心理的な仕掛けを作りました。

2. 捨てられない「ギフト」にする
年賀状の悩みどころは、見終わった後の扱いです。そこで今回は、挨拶状としてだけでなく、「飾れるカレンダー」としての機能をメインに据えました。
繊細な切り絵デザインのカレンダーなら、インテリアとしてデスクや壁に飾りたくなるはず。結果として、1年間ずっと手元に置いてもらえる(=送り主のことを思い出してもらえる)プロダクトになっています。
 

Case 2: 持った瞬間のインパクト。「厚み」と「抜き」の美学

Case 2: 持った瞬間のインパクト。「厚み」と「抜き」の美学
レーザーカット × ニスコーティング × サンカード360kg
ふたつ目のアプローチは、デジタルでは絶対に再現できない「重み」と「手触り」の追求です。
「これが紙?」と驚くような、物質としての存在感にこだわりました。

【Material & Tech】ここがポイント 
  • ​用紙: 一般的なハガキよりかなり厚い「サンカード 360kg」
  • 加工1: 繊細かつ大胆な「レーザーカット」
  • 加工2: ツヤと手触りを生む「ニスコーティング」
  • 加工3: きらめきを添える「メタリック印刷」

【Design Logic】制作の意図 
1. 360kgの「厚み」が必要だった理由
今回の年賀状、手に取ると「硬っ!」と思うかもしれません。使用したのは「サンカード 360kg」という、年賀状としては規格外の厚紙です。
なぜこれほど厚くしたかというと、繊細なレーザーカットに耐えうる強度が欲しかったから。この厚みがあるおかげで、大胆にカットしても紙がへたらず、立てて飾ったときにもピシッと美しい姿勢を保てます。

2. 「四角」からの解放
勢いよく駆ける馬の姿、華やかな正月飾り、大胆な「2026」の文字。これらの「外枠(輪郭)」そのものをレーザーカットで切り抜いています。
四角い定型サイズにおさめず、モチーフの形をそのままカードにすることで、圧倒的な躍動感を生み出しました。

「形式」から「感動」へ

今回の「ホンキの年賀状」を通して伝えたかったのは、特殊な素材(トレーシングペーパーや厚紙)と、こだわりの加工(レーザーカットやニス)を組み合わせれば、年賀状はもっと自由で、もっと記憶に残るツールになれるということです。

ただ新年の挨拶をするだけでなく、

「面白いね!」
「すごい技術だね!」

そんな会話が生まれるきっかけを、紙のデザインで作っていきたい。
周年記念や新サービスの案内、大切なお客様への贈り物として。

企業の「ホンキ」の想いを、私たちは技術とデザインで形にしています。

 
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